ネット上の情報や民間療法で「外から帰ったら水道水で目を洗うとスッキリする」という言説を目にすることがありますが、眼科臨床においては水道水での直接洗眼は推奨されていません。
人間の眼球表面は、水分だけでなくムチン層や油層からなる精密な「涙液層」で保護されています。水道水で目を直接洗ってしまうと、浸透圧の違いによって角膜上皮細胞が水分を吸って膨張・剥離しやすくなるだけでなく、角膜を守る重要な保護成分や抗菌酵素(リゾチームなど)まで洗い流してしまいます。結果としてドライアイ状態を招き、花粉の刺激に対してより無防備な状態を作り出してしまいます。
どうしても洗眼を行いたい場合は、水道水ではなく、体液と等張に調整された防腐剤フリーの人工涙液を数滴点眼し、自然に流れ出た液を清潔なティッシュペーパーでまぶたの縁から吸い取る方法を選択してください。