コーヒー売り場やカフェのメニューで頻繁に目にする「ブラジル・サントスNo.2」という名称に対し、「なぜNo.1ではなくNo.2なのか?」「2番手の品質を安く買わされているのではないか?」と疑問を抱いた経験を持つ読者も少なくないはずです。ここに、一般にはあまり知られていないブラジルコーヒー豆等級規格の興味深いカラクリがあります。
結論から言えば、ブラジルの格付け制度において「No.1」という等級は商業上、事実上存在しません。ブラジルでは、サンパウロ州にある最大の輸出港「サントス港」から出荷される豆を中心に、サンプル300g中に含まれる異物や欠点豆(発酵豆、未熟豆、黒豆、小石など)の混入数をポイント換算して格付けを行う「減点方式」を採用しています。
この規格において、理論上「欠点数がゼロ」の完全無欠なロットをNo.1と定義していますが、自然農作物であるコーヒーの生豆において欠点ゼロを恒常的に保証することは不可能です。「自然界に完全無欠なものは存在しない」という謙虚かつ厳格な哲学に基づき、実質的な最高品質のロットに与えられる称号がブラジルサントスNo.2なのです(300g中の欠点数が4点以下)。
さらに、この等級判定に加えてアラビカ種スクリーンサイズ(生豆の粒の大きさ)による選別が行われます。通常はスクリーン17(約6.75mm)からスクリーン18(約7.14mm)の大粒豆が高品質とされ、「サントスNo.2 スクリーン17/18」と記載されているロットは、形状・密度・欠点基準のすべてを高い水準でクリアしたエリート豆であることを証明しています。