御料牧場の起源は明治初期にさかのぼります。近代化を急ぐ明治政府が、日本の畜産業の発展と優良品種の育成を目指して1875年(明治8年)に設置した「取香種畜場」がその前身です。その後、千葉県成田市周辺に広がる「下総御料牧場(三里塚御料牧場)」として名を馳せ、桜の名所としても親しまれました。
しかし、高度経済成長期に伴う新東京国際空港(現・成田国際空港)の建設地に指定されたことで、牧場は移転を余儀なくされます。激動の時代背景のなか、1969年(昭和44年)に現在の栃木県塩谷郡高根沢町へと全面移転が完了しました。
当時の職員たちの手によって、長年培われた土壌の微生物や貴重な動植物の血統、伝統の加工技術が一子相伝のように新天地へと運ばれ、現在の強固な基盤が築かれたのです。