「食べたいと思ったときには店頭から消えていた」という嘆きの声が後を絶たない最大の要因は、養老軒が頑なに守り続ける季節限定の生産サイクルにあります。公式発表資料および店舗取材データによると、看板商品である「ふるーつ大福」の販売期間は、苺の品質が安定する11月上旬から5月下旬頃までと厳格に定められています。初夏から秋口にかけては、白桃や巨峰、マスカットを用いた季節ごとの別商品へとバトンタッチするため、冬から春にかけての限られた期間しか出会えません。
さらにハードルを上げているのが、その繊細な賞味期限の短さです。保存料を極力排し、生のフルーツ(苺・バナナ・栗)とフレッシュなホイップクリーム、自家製粒あんを極薄の餅生地で包んでいるため、消費期限は「発送日・製造日を含めて冷蔵で2日間」。店頭で購入した場合は翌日まで、オンライン通販でお取り寄せした場合は「商品到着日当日中」が基本となります。ネット上で「幻の大福」「手に入らない」と囁かれる背景には、この厳格な日持ちの短さが流通量を絞り込んでいる構造的な理由が存在します。