田原総一朗が挑んだ「性」のタブー|伝説の過激番組と少子化論の真相

田原総一朗が挑んだ「性」のタブー|伝説の過激番組と少子化論の真相

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田原氏の経歴を紐解くと、民放テレビマンの枠に収まらない異端の表現者としての顔が浮かび上がります。1970年代初頭、田原氏は日本アート・シアター・ギルド(ATG)において映画『あらかじめ失われた恋人たちよ』(1971年・石橋蓮司、桃井かおり出演)などの監督を務め、時代の閉塞感と性の衝動を映像化しました。

さらに著書『日本のセックス』などを通じて、戦後日本の高度経済成長の裏で抑圧されてきた大衆の欲望や、婚姻制度の欺瞞を活字で解体していきました。田原氏にとって「性」とは単なる興味本位の題材ではなく、国家権力、宗教、家制度といった社会構造の矛盾が最も剥き出しになる戦場だったのです。

当時の東京12チャンネルは後発局であり、他局と同じ正統派の報道番組を作っても視聴率は稼げませんでした。その結果、「他局が絶対にカメラを向けないタブー」に切り込むゲリラ制作がディレクター陣の至上命題となり、ヒッピーカルチャー、学生運動、マリファナ吸引、そして性の深淵へと田原氏の視線は向けられていきました。

中川 明日香
著者

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。