「天の岩戸は実在するのか、どこにあるのか」という疑問に対しては、全国に複数の伝承地が存在します。その中でも特に信仰と歴史が色濃く残るのが、宮崎県高千穂町と三重県志摩市です。
1. 天岩戸神社・天安河原(宮崎県西臼杵郡高千穂町)
神話の郷・高千穂に鎮座する天岩戸神社は、岩戸川を挟んで東本宮と西本宮に分かれています。西本宮には本殿がなく、川の対岸にある崖の洞窟「天の岩戸」そのものを御神体として祀っています。社務所で申し込むことで、神職の案内により遥拝所から御神体の洞窟を直接拝観することが可能です。
西本宮から徒歩約10分の場所にある「天安河原(仰慕窟=ぎょうぼがいわや)」は、八百万の神が集まって合議したとされる大洞窟です。祈願を行う参拝者によって積まれた無数の小石が谷全体に広がり、厳かな空気が漂う日本屈指のパワースポットとして知られています。
2. 恵利原の水穴・天の岩戸(三重県志摩市磯部町)
伊勢神宮(内宮)と深い関わりを持つ伊勢志摩の「恵利原(えりはら)の水穴」も、天の岩戸伝承地として名高い名所です。豊かな照葉樹林に囲まれた洞窟から湧き出る水は「名水百選」にも選定されており、日照り続きの際にも涸れることがない霊水として信仰を集めてきました。木漏れ日と清流のせせらぎが織りなす静寂な環境は、心身のリセットを求める参拝者に支持されています。
3. 戸隠神社(長野県長野市戸隠)
長野県の戸隠山には、タヂカラオが怪力で放り投げた岩戸の扉が飛来して山になったという壮大な伝承が残ります。戸隠神社奥社にはタヂカラオが祀られ、開運や心願成就の神として篤く信仰されています。