音楽におけるノリ方を語る上で欠かせないのが、「縦揺れ」と「横揺れ」の決定的な違いです。従来のロックフェスやEDMイベントで定番だった「縦揺れ」は、表拍(1拍目・3拍目)や4つ打ちのキックドラムを強調し、オーディエンスがジャンプしてエネルギーを爆発させるスタイルを指します。
対する「横揺れ曲」は、2拍目・4拍目にアクセントを置くバックビートや、あえてリズムをわずかに遅らせる「レイドバック」、シンコペーションを多用したサウンドがベースです。頭の上で拳を突き上げるのではなく、肩の力を抜いて腰や首を左右にしなやかにスイングさせるような、滑らかなグルーヴ感を生み出します。
テンポ面でも大きな差があります。縦揺れトラックがBPM128〜150以上の高揚感を煽るスピード感を持つのに対し、横揺れソングの多くはBPM85〜105前後という、人間の安静時や心地よい歩行ペースに近いテンポに設定されています。これが聴き手に生理的な安心感と深いリラックス効果をもたらす音楽的要因です。