コンポート作りで「お酒臭さが抜けず、子どもやアルコールに弱い人が楽しめない」という声は後を絶ちません。実は調理科学の実験データにおいて、単に鍋で短時間煮立たせただけではアルコールは30%〜40%程度残留することが実証されています。ワインの風味だけを抽出し、ツンとした刺激臭を完全に消し去るにはアルコールの完全な飛ばし方を押さえなければなりません。
もっとも確実な手法は、果実を入れる前の段階で「ベースシロップのみを強火でしっかり沸騰させる」ことです。赤ワイン、水、砂糖、スパイスを鍋に入れ、沸騰してから弱中火で2〜3分間蒸気を立ち上らせます。アルコールの沸点は約78.3℃であるため、水分蒸発とともにアルコール分子が効率よく気化します。立ち上る蒸気から刺激臭が消え、ワインの芳醇なブドウの香りとスパイスの甘いアロマだけが漂う状態を確認してから極弱火に落とし、初めていちじくを鍋に滑り込ませるのがプロの手順です。
また、2026年最新の人気レシピ動向に目を向けると、健康志向の高まりやアルコール離れ(ソバーキュリアス)の潮流を反映し、ノンアルコール赤ワインや濃厚な100%コンコードグレープジュースをベースに、カルダモンやスターアニスを効かせた「新世代型ハイブリッド・コンポート」が大手レシピサイトやSNSで支持を広げています。クラシックな濃厚フレンチスタイルから、スパイスの薬膳的効能や軽やかな後味を重視する日常デザートへと、コンポートの立ち位置は着実な進化を遂げています。