世間に大きな衝撃を与えた理由の一つに、今井美樹と山下久美子の親交が極めて深かった事実があります。元々、今井は山下の熱心なファンであり、山下のライブに足を運んだことをきっかけに意気投合。互いの自宅を行き来し、恋愛相談を持ちかけるほどの間柄でした。山下にとっても今井は「無邪気で可愛い妹分」であり、夫である布袋寅泰を交えて3人で食事を共にする機会も珍しくありませんでした。
風向きが変わり始めたのは、1990年代初頭のことです。シンガーとしてのさらなる飛躍を模索していた今井に対して、山下の紹介を介する形で布袋寅泰による今井美樹プロデュースが本格始動しました。1993年にリリースされたシングル『Bluebird』を手始めに、布袋は今井の透明感あるヴォーカルを最大限に引き出す楽曲を次々と提供。スタジオでの濃密な作業時間を共有するにつれ、二人の距離は急速に縮まっていきました。
音楽的なパートナーシップはやがて私的な恋愛感情へと変貌します。当時の女性誌やワイドショーの取材記録によると、今井から布袋へのアプローチは極めて情熱的であり、既婚者であった布袋もまた、ミューズとしての今井の存在に深く傾倒していきました。妻の親友が夫を奪うという構図は、瞬く間にメディアの格好の標的となり、今井美樹の略奪愛の経緯として連日トップニュースで報じられる事態へと発展しました。