コロナで重症化しやすい血液型に関する論文群を精査すると、O型が優位性を持つ理由として「自然抗体によるウイルス中和」と「血液凝固因子の血中濃度」という2つの生化学的機序が挙げられます。
第1の理由は、O型が保有する「抗A抗体」および「抗B抗体」の存在です。ウイルスが感染者の細胞内で複製され細胞外に放出される際、宿主の細胞表面にあるABO血液型抗原をウイルス表面のスパイクタンパク質にまとって飛び出します。感染者がA型やB型の場合、O型の人の体内に侵入したウイルスは、O型が持つ天然の抗A・抗B抗体によって細胞結合前に中和・阻害される現象が実験で確認されています。
第2の理由は、血栓形成に関わる「フォン・ヴィレブランド因子(vWF)」と「第VIII因子」の濃度差です。新型コロナの重症化は、肺や全身の毛細血管に微小な血栓が多発することが引き金となります。O型の人は非O型(A型・B型・AB型)に比べてvWFの血中濃度が約25%低いことが知られており、これが血栓症の発症を防ぎ、重症化を抑制するクッションとして機能しています。