相撲部屋の親方の長男として生まれると、周囲や後援会からは当然のように「将来の跡継ぎ」としての期待が寄せられます。松ケ根部屋から二所ノ関部屋へと看板を継承した名門において、日高勝信氏が力士にならなかった背景には、両親の深い教育方針がありました。
父・若島津も母・高田みづえさんも、「子どもたちには自分の好きな道を歩んでほしい」という一貫したスタンスをとっていました。角界という過酷な勝負の世界の厳しさを誰よりも知る父だからこそ、息子に無理な強制をすることは一切ありませんでした。
その後、二所ノ関部屋は2022年の停年(定年)退職を前に、元横綱・稀勢の里(現・二所ノ関親方)へと名跡と部屋の魂が見事に継承されました。血縁による無理な世襲にこだわらず、相撲界の未来を見据えた円満な事業承継が行われた背景には、勝信氏が自らの足で独立した人生を歩んでいたことも大きく寄与しています。