大手寝具メーカーのアフターサポート窓口やクリーニングの現場を取材すると、一般家庭での「自己判断による枕丸洗い」がいかにトラブルを生んでいるかが浮き彫りになります。現場のプロたちが証言する代表的な失敗パターンを検証しました。
「コインランドリーの大型ガス乾燥機なら短時間でふかふかになるだろうと、低反発枕やビーズ枕を投入して熱でドロドロに溶かしてしまい、ドラム内部の弁償問題に発展したケースがありました」(都内コインランドリー管理者)。コインランドリーでの枕丸洗いは、ポリエステル綿や一部の耐熱パイプ枕であれば有効ですが、ウレタン系素材は乾燥機の熱風(およそ70〜80℃)によって熱変形・融解を起こすリスクが極めて高くなります。
また、羽毛枕愛好家の間でも「家庭用洗濯機の手洗いコースで洗ったところ、羽毛特有の獣臭が部屋中に充満し、乾いても元のようなボリュームが戻らなかった」という体験談が目立ちます。羽毛(ダウン)は天然の油分によって撥水性と反発力を維持しています。一般的な弱アルカリ性洗剤で丸洗いしてしまうと、その保護油分が完全に脱脂され、羽軸が折れてボリュームが失われてしまうのです。