二人が初めて顔を合わせたのは、2012年1月にクランクインした映画『大奥〜永遠〜[右衛門佐・綱吉篇]』の撮影現場でした。男女が逆転した大奥を舞台に、菅野美穂さんが徳川第5代将軍・徳川綱吉を、堺雅人さんが大奥総取締となる右衛門佐(えもんのすけ)を演じたこの現場が、すべての始まりとなります。
現場関係者の証言や当時の制作リポートによると、堺雅人さんは撮影開始当初から菅野美穂さんの圧倒的な演技力と現場で見せる人間的魅力に強く惹きつけられていました。役に没頭する菅野さんの鬼気迫る集中力と、カメラが止まった瞬間に見せる明るく無邪気な笑顔のギャップに心を奪われたと伝えられています。後の舞台挨拶やインタビューにおいて、堺さんは菅野さんについて「大きな木のような、マイナスイオンを放つ植物のような存在」「華やかでありながらどこか危険な甘い香りを持つ人」と独特の詩的な言葉で表現し、共演者としての枠を超えた敬意を隠そうとしませんでした。
対する菅野美穂さんは、役作りにストイックな姿勢を貫くプロフェッショナルとして知られます。撮影期間中は役柄に集中するため、堺雅人さんからの好意的なサインを感じつつも、私情を挟まず一定の距離を保ち続けていました。しかし、堺さんは諦めることなく、作品を支えるパートナーとして誠実に接し続け、映画のプロモーション期間にかけてじっくりと距離を縮めていきました。