アセクシュアルを巡る大きな誤解の一つに、「性的欲求(リビドー)が身体的に完全にゼロである」という思い込みがあります。しかし、「他者に向ける性的な惹かれ」と「生理的な自慰・身体反応」は別物です。
報道各社の当事者取材や手記において、ある当事者は次のように心情を語っています。
「自慰行為や生理現象としての性欲は人並みにある。しかし、それを誰か特定の生身の人間と共有したい、触れ合いたいという感情には一切繋がらない。食欲はあるけれど特定の誰かと一緒に食べたいわけではない、という感覚に近い」(30代・当事者手記より)
スキンシップに関しても、以下のように個人差が分かれます。
- 手をつなぐ・ハグ:親愛の情として好意的に受け入れる層から、肌が触れること自体に抵抗を感じる層まで様々。
- キス・性行為:強い嫌悪感(セックス・リパルシブ)を抱く人もいれば、相手のために妥協して受け入れられる(セックス・インディファレント)人、あるいは全く関心がない人までグラデーションが存在します。
恋愛感情についても同様であり、恋愛感情を強く抱きパートナーとの精神的な深い結びつきを希求するノンセクシュアルの人々は、性的接触を求めない形での交際形態を模索しています。