桑田佳祐さんの長男・桑田祐宜さんは、10代の頃から本格的にバンド活動を開始しました。特筆すべきは、「桑田佳祐の息子」という看板を完全に隠して活動をスタートさせた点です。親の七光りやコネクションを一切排除し、自らの演奏技術と楽曲クオリティだけで勝負する道を選びました。
2012年、祐宜さんがボーカル&ギターを務める4人組ロックバンド「READ ALOUD(リード・アラウド)」を結成。同年11月に1stミニアルバム『A』をリリースしてインディーズデビューを果たし、その後メジャーレーベルからも作品を発表しました。骨太なオルタナティブ・ロックサウンドと、ハスキーでありながら艶のある歌声は、早耳のロックファンやライブハウス関係者の間で「実力派若手バンド」として高い評価を獲得しました。
デビュー当初、関係者間でも祐宜さんの素性は伏せられていましたが、メディアの報道によって桑田佳祐・原由子夫妻の長男であることが広く知られるようになります。しかし、バンドは決して親の威光に頼ることなく、全国のライブハウスツアーを地道に回り、年間数十本に及ぶステージを愚直にこなしました。
READ ALOUDは精力的な活動を続けたものの、2016年10月にメンバーそれぞれの音楽的探求や今後の方向性を尊重する形で活動休止(事実上の解散)を発表しました。当時のライブMCやファンコミュニティでは、その潔い決断と音楽に対する真摯な姿勢に温かい拍手が送られました。
バンド活動休止以降、2026年現在の祐宜さんは、メジャーの表舞台で派手なプロモーションを展開するスタイルからは一線を画しています。親交の深いミュージシャンへの楽曲提供やサポート演奏、インディーズアーティストのプロデュース、さらにはカルチャーイベントや飲食店運営に関わるなど、肩肘を張らない独自のスタンスで音楽カルチャーと関わり続けています。