「最近テレビで見かけなくなった」と感じる視聴者が多い背景には、芸能界の構造変化と美川憲一自身の明確なセルフプロデュース戦略が存在します。
かつて平成のバラエティ番組では、いわゆる「ご意見番」や「毒舌タレント」として過密スケジュールをこなしていました。しかし、事務所独立を経て個人事務所体制へ移行したことで、自身の出演作を厳選できる裁量権を獲得しました。若手芸人とのひな壇トークで過剰なリアクションを求められる消耗戦から距離を置き、アーティストとしての本質を発信できる良質な媒体へ移行したのです。
近年のテレビ出演情報を精査すると、NHKの特集番組、BS各局の本格音楽番組、地方局の大型特番、トーク番組のゲスト出演に絞り込まれていることが分かります。地上波のバラエティを減らし、自らの歌声と人生観を深く届けられるプラットフォームを選び抜いた結果といえます。