美しい立体感と精緻な文様で目を楽しませてくれる落雁だが、その形を作り出すのが「菓木型」と呼ばれる木彫りの型だ。樹齢数百年を超える山桜の木などを削り出し、職人が手作業で花鳥風月や季節の風物を彫り込んでいく。
木型に粉末状の生地を詰め、指先の感覚だけで均一な圧力で押し固める作業は、まさに極限の職人技だ。その日の湿度や気温によって微妙に水分量を調整しなければ、型崩れを起こすか、あるいは硬すぎて口溶けが損なわれてしまう。機械化が進む現代においても、最高峰の落雁づくりは職人の手のひらの感覚に委ねられている。