順位争いそのものを超越した独自のアプローチをとる社も存在する。初詣の参拝者数で日本屈指を誇る明治神宮のおみくじには、「大吉」も「凶」も一切存在しない。授与されるのは「大御心(おおみごころ)」と呼ばれる、明治天皇と昭憲皇太后が詠まれた和歌(御製・御歌)と、その解説文のみだ。
神道文化・民俗学の研究者が指摘するように、神前で引く籤の本来の役割は吉凶のランク付けではなく、神意を伺い日々の生活の指針(教訓)を得ることにある。吉凶の記号に目を奪われがちな現代人に対し、明治神宮の試みは、言葉そのものと真摯に向き合う時間を取り戻させてくれる。