永田町の論理とは裏腹に、最前線で働くアニメ制作者や漫画家、そして熱心なファンは麻生氏のスタンスをどのように受け止めてきたのでしょうか。クリエイター関係者やアニメ制作現場へのヒアリングから、現場のリアルな実態が見えてきます。
制作現場のベテラン作画監督の一人は次のように語ります。「麻生さんが秋葉原で演説した当時、業界全体が少し浮き足立ったのは事実です。しかし、制作費の買いたたきやアニメーターの過酷な低賃金労働といった構造問題には、政治のメスはほとんど入りませんでした。コンテンツを外交や票集めの道具にする前に、現場の疲弊を救ってほしかったというのが当時の本音です」。
一方、同人誌即売会やコンテンツ流通に携わる関係者からは、「規制強化の嵐が吹き荒れていた時代に、保守本流の政治家が『漫画は素晴らしい文化だ』と公言し続けた防波堤としての功績は計り知れない」という擁護の声も根強く存在します。現場目線における麻生太郎という存在は、救世主とまでは言えないものの、サブカルチャーへの不当な弾圧を防ぐ「最大の盾」として機能していたという複雑な現実が浮かび上がります。