伊吹氏が政界引退を表明したのは2026年6月。同年秋に控えていた衆院選を前に、地元・京都で開かれた後援会会合での電撃的な申し出でした。当時83歳、自民党内では最高齢の一角でありながら、議事運行や法案審査における影響力は絶大だっただけに、政界には大きな衝撃が走りました。
決断の最大の理由は「体力の限界を自ら見極め、老醜を晒さない」という厳格な引き際の美学です。伊吹氏は会見で、国会議員としての職責を24時間万全に果たせなくなる前に自ら退くことが有権者に対する誠義であると明言しました。多くの長老議員が比例代表の優遇や要職への執着を見せる中、総選挙の前に次世代へ完全な形でバトンを渡す姿勢は、永田町の悪しき慣習に対する無言の批判でもありました。