電気保安協会の点検は怪しい?詐欺の見分け方と拒否・費用の真相

電気保安協会の点検は怪しい?詐欺の見分け方と拒否・費用の真相

電気保安協会の点検は怪しい?詐欺の見分け方と拒否・費用の真相についての最新情報をご紹介します。

突然の訪問に不快感を覚えた際、「法律で決まっているから点検させろ」と強引に迫られるケースが見られます。法的な観点から、一般消費者に点検を受ける義務があるのか、拒否権は存在するのかを検証します。

根拠となるのは電気事業法第57条です。同法では、一般送配電事業者に対し、一般住宅や小規模店舗などの電気設備が技術基準に適合しているかどうかを4年に1回以上の頻度で調査する義務(法定点検・定期調査義務)を課しています。この義務を遂行するため、電力会社は経済産業大臣の登録を受けた登録調査機関(各地域の電気保安協会など)に業務を委託しています。

ここで極めて重要な法的解釈は、「調査義務を負っているのは電力会社側であり、受ける側の住民に受忍義務(点検を受け入れる法的義務)はない」という点です。居住者には正当な拒否権が存在し、点検を断ったからといって罰則を受けたり、即座に送電を停止されたりすることは法律上ありません。

ただし、点検を完全に拒否し続けることには相応の実質的リスクが伴います。定期調査の主たる目的は、屋内の分電盤(ブレーカー)や屋外メーターの漏電測定を通じて、感電事故や電気火災を未然に防ぐことです。総務省消防庁の火災統計によると、住宅火災の出火原因の上位には常に「電気設備・配線器具のトラッキング現象や漏電」がランクインしています。

もし点検を拒否し、知らぬ間に分電盤内で絶縁劣化が進んでいた場合、大規模な漏電火災を引き起こす危険性があります。さらに、重大な過失によって火災を招いた場合、火災保険の査定や失火責任法を巡る近隣住民との損害賠償トラブルにおいて不利に働く可能性もゼロではありません。

「見知らぬ人を家に上げたくない」「家族が不在で不安」という場合は、無下に拒否するのではなく、屋外からの外回り測定(スマートメーター経由の漏電測定等)のみを許可するか、不在票に記載された公式サポートセンターへ連絡し、信頼できる家族が同席できる日時に再訪問を予約するのが賢明な判断です。

林 結菜
著者

林 結菜

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。