SNSや知恵袋などでは、「急にポロッと取れた」「気がついたらなくなっていた」という投稿が散見されます。当編集部が皮膚科臨床の現場を取材したところ、その背景には3つの現実がありました。
第一に、「取れたのはほくろではなく脂漏性角化症(老人性イボ)や軟性線維腫だった」というケースです。これらは表皮の角化不全や良性のイボであり、衣類の摩擦や入浴時の刺激で根元から千切れて脱落することがあります。本人はほくろだと思い込んでいたものの、実際は別の皮膚病変だったという事例です。
第二に、「無意識に引っ掻いてかさぶたになり、一時的に取れたように見えた」パターンです。母斑細胞が真皮に残存しているため、数週間から数ヶ月後にメラニン色素が再び作られ、以前よりも歪な形状で再発することが多々あります。
臨床現場の医師は、「『自然に取れたからラッキー』と放置せず、一度ダーモスコピー(特殊な拡大鏡)で病変の完全消失なのか、あるいは皮下に細胞が残っているのかを確認することが極めて重要」と証言しています。