オリコン等の嵐の歴代シングル売上ランキングを見ると、1位はミリオンを突破した『カイト』、2位はデビュー作『A・RA・SHI』が君臨します。しかし、過去に開催された『アラフェス』などの嵐ファン投票人気ランキングを精査すると、シングル表題曲を抑えてカップリング曲である『Still...』や『僕が僕のすべて』が上位を独占するという独特の逆転現象が起こります。
なぜシングルA面ではない『Still...』がここまで圧倒的な支持を集め続けるのか。その真相は、歌詞構造とファン心理の相互作用にあります。櫻井翔が手掛けたラップ詞「これは別れではない 出逢いたちとまた巡り逢うための出発」というフレーズは、日常の挫折や別離を経験するリスナーの心に深く寄り添います。一般的な王道アイドルソングの枠を超え、個人の人生訓として機能している点が選出理由の核となっています。
さらに、2007年の『Love so sweet』が今なおアイコンとされる背景には、単なるドラマヒットにとどまらない楽曲構成の妙があります。転調を巧みに取り入れたサビのメロディラインと、松本潤・二宮和也・相葉雅紀の柔らかなユニゾン、そこへ重なる大野智の伸びやかなソロパートという「嵐の歌割りフォーマット」がこの楽曲で完成されたことが、色褪せない魅力の根源です。