田岡満氏の足跡の中で最も広く知られているのが、映画プロデューサーとしての華々しい実績です。特に昭和映画史に燦然と輝く東映配給の任侠・ヤクザ映画において、彼は類を見ないリアリティとスケール感をもたらしました。
その代表作が、1984年に公開された大作映画『修羅の群れ』(主演:松方弘樹、監督:山下耕作)です。稲川会初代会長・稲川聖城氏の半生をモデルにしたこの作品において、満氏は企画・製作のキーマンとして参画。当時の一流俳優陣を集結させ、圧倒的な熱量と重厚なドラマ性を持ったエンターテインメント大作として興行的にも批評的にも大成功を収めました。
続いて1985年には、菅原文太氏が主演を務めた『最後の博徒』をプロデュース。実際の裏面史の空気感を肌で知る満氏ならではの演出眼とキャスティング力は、東映映画の黄金期を支えた岡田茂社長(当時)ら映画界の重鎮たちからも高く評価されました。フィクションとドキュメンタリーが融合したような生々しい迫力は、彼が現場の指揮を執ったからこそ実現できた奇跡的な成果でした。