竹中直人の豊臣秀吉はなぜ今も語り継がれるのか?怪演の裏側と再演の真相

竹中直人の豊臣秀吉はなぜ今も語り継がれるのか?怪演の裏側と再演の真相

竹中直人の豊臣秀吉はなぜ今も語り継がれるのか?怪演の裏側と再演の真相とはどのようなものなのか? 詳しい意味を簡潔に解説します。

大河ドラマにおいて、同一の俳優が同じ歴史上の主要人物を主演・助演という形で複数回演じるケースは極めて稀です。2014年放送の『軍師官兵衛』(主演・岡田准一)において、竹中直人が再び豊臣秀吉役に抜擢されたというニュースは、発表当時大きな話題を呼びました。

制作陣が竹中に再演を熱烈オファーした理由は明白でした。主人公・黒田官兵衛の前にそびえ立つ「最も魅力的で、最も恐ろしい巨壁」を描くにあたり、竹中直人以上の適任者は存在しなかったためです。しかし、当時の特番インタビューや手記で明かされたところによると、竹中本人は当初、「1996年の『秀吉』ですべてを出し切った。もう二度と演じることはできない」とオファーを固辞する意向だったと告白しています。

その迷いを断ち切った要因の一つが、かつて『秀吉』で主君・織田信長役として共演し、竹中が私淑していた名優・渡哲也の存在や、周囲の熱意でした。「主演として描かれた秀吉」ではなく、「官兵衛の視点から見た秀吉」という全く異なるアプローチに挑戦することを決意した竹中は、18年前とは別人のごとき秀吉像を創り出しました。

『軍師官兵衛』における秀吉は、最初から底知れぬ老獪さと凄みを漂わせ、晩年に至っては認知の衰えと権力への妄執が剥き出しになった「怪奇の怪物」として描かれました。同一人物が演じながらも、作品の主題に合わせてキャラクターの質感を自在に変貌させる竹中直人の力量は、業界内でも改めて絶賛されることとなりました。

松本 悠斗
著者

松本 悠斗

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。