高松琴平電気鉄道(ことでん)の瓦町駅から徒歩で約8分、高松南新町商店街の一角にひっそりと佇む階段を上がると、重厚な珈琲の香りが鼻腔をくすぐります。商店街の公式案内資料において店主は「一杯の珈琲に人生をかけて40余年…。永遠に私は珈琲。私は他ならぬあなたの物」という情熱的な言葉を残していますが、この哲学こそが南珈琲店人気の理由の核心にあります。
高松市街には洗練されたスペシャリティコーヒー店も増えましたが、当店の熱気は衰える気配がありません。午前中のピークタイムには階段下まで入店待ちができることも珍しくなく、多くの人を惹きつける最大の要因は、創業以来ブレることのない職人気質の自家焙煎と、訪れる者を無条件で包み込む気取らない接客姿勢にあります。南新町商店街純喫茶の象徴として、シニアの常連客からZ世代のレトロ建築ファンまで、幅広い世代の受け皿として機能している現場の強さが見て取れます。