塚本高史が芸能界入りを果たしたのは1997年、ドラマ『職員室』でのことでした。端正な顔立ちとどこか影のあるミステリアスな雰囲気は瞬く間に業界関係者の目を引き、若手俳優の登竜門的作品へと次々に抜擢されていきます。
その名を世に決定づけたのが、2000年公開の深作欣二監督による映画『バトル・ロワイアル』です。理不尽なデスゲームに立ち向かう天才ハッカー・三村信史役を熱演した塚本は、金髪に引き締まった精悍なマスク、仲間を鼓舞する熱い芝居で観客に鮮烈な衝撃を与えました。過激な描写が社会問題化するほどの熱狂のなかで、「あの金髪の美少年は誰だ」と爆発的な注目を集めた瞬間でした。
さらにその人気を不動のものにしたのが、2002年に放送された宮藤官九郎脚本のドラマ『木更津キャッツアイ』(TBS系)です。岡田准一演じるぶっさん率いる草野球チーム兼怪盗団のメンバー、「アニ」こと佐々木兆役をコミカルかつスタイリッシュに好演。少しおバカで憎めないキャラクター性と、金髪メッシュが似合う圧倒的なビジュアルのギャップは、当時のティーン層を中心に熱狂的な支持を集めました。
当時のインタビューや雑誌グラビアで彼が見せていたアンニュイな表情とやんちゃな笑顔の同居は、まさに2000年代ストリートカルチャーと見事にリンクし、「平成イケメンの完成形」として時代を象徴するアイコンとなったのです。