部屋全体に何十キロもの空気が存在し、地上には上空数十キロメートル分の空気の柱が乗っかっています。海面付近の地表には1平方センチメートルあたり約1kg(1気圧=約1013hPa)もの圧力が常にかかっています。成人男性の体表面積(約1.6〜1.8㎡)に換算すると、実に約16トン〜18トンもの大気圧を全身に受けていることになります。
それにもかかわらず私たちが押しつぶされず、重さすら感じない理由は主に2点あります。
1つ目は、「体内の圧力と外気圧が完全に釣り合っているから」です。人間の血液や体液、細胞内には外気圧と同じ1気圧の内圧が存在し、内側から外側へ向けて均等に押し返しています。高山や飛行機内で耳がキーンとするのは、急激に外気圧が下がって体内の圧力とのバランスが一時的に崩れるためです。
2つ目は、「全方位から均等に圧力がかかるパスカルの原理と浮力の存在」です。空気は流体であるため、頭上から下方向だけでなく、左右や足元の下方向からも全く同じ強さで押してきます。さらに、水中の物体に浮力が働くのと同様に、空気中にある私たちの体にも「押しのけた空気の体積分の浮力」が常に上向きに働いています。