本作の原点は、かつて朝日ソノラマが発行していた少女向け恐怖体験誌『ほんとにあった怖い話』に連載された短編作品群にある。当時は一過性のホラー作品として読まれていたが、作者の独特な感性と写実的な描写はコアなファンを魅了していた。当時の漫画業界において、体験談をベースにした作品は珍しくなかったが、本作が放つ異彩は群を抜いていた。
月日は流れ、単行本の絶版によって作品は市場から姿を消した。しかし、古本市場での価格が数十万円に跳ね上がるなど、幻の作品としての価値はむしろ高まっていった。一冊の古本がこれほどまでに人々の好奇心を刺激し続けた例は、日本のサブカルチャー史上でも極めて稀である。