メアリー処刑に激怒したスペイン国王フェリペ2世は、1588年、当時世界最強と謳われた大艦隊をイングランドへ差し向けます。これが世界史に名高いアルマダの海戦(無敵艦隊の壊滅)です。
圧倒的な兵力差を前に、エリザベス1世はティルベリーの軍営に自ら赴き、「私はか弱い女性の肉体しか持たないが、国王の心と胃袋を持っている」と兵士たちを鼓舞しました。機動性に優れたイングランド海軍の小型船と火船戦術、フランシス・ドレイクらの活躍、そして悪天候が味方し、無敵艦隊を大敗へと追い込みました。この勝利によってイングランドは制海権争いに名乗りを上げ、のちの海洋帝国への道を拓きました。
内政面における最大の功績は、宗教政策(中道改革)による国家統合です。姉メアリー1世の時代に吹き荒れたカトリック復帰に伴う血の弾圧(ブラッディ・メアリー)を教訓とし、1559年に「国王至上法」と「礼拝統一法」を制定。プロテスタントを基調としながらも、カトリック的な儀礼や教会組織を一部残す英国国教会(アングリカン・チャーチ)の体制を確立し、過激な宗教対立を沈静化させました。