里芋調理の最大のハードルといえるのが「皮むきの手間」と「手のかゆみ」です。この痒みの原因は、皮の付近に多く含まれるシュウ酸カルシウムの針状結晶にあります。皮を剥く際にこの結晶が皮膚に刺さることでチクチクとした炎症を引き起こします。
料理研究家や専門機関の検証によると、シュウ酸カルシウムは酸に弱い性質を持っています。調理前に水200mlに対して酢大さじ1〜2を加えた酢水を用意し、手を浸してから作業するか、皮を剥いた里芋を酢水にくぐらせることで、痒みの発生を大幅に抑えることが可能です。
また、里芋の皮むきにおける簡単な方法として現場で重宝されているのが、以下の3つのアプローチです。
- 乾燥させてから剥く:泥を洗い流したあと、皮の表面を完全に乾かしてから包丁を入れると、滑らずに薄く均一に剥くことができます。
- 電子レンジ加熱(ツル剥き法):洗った里芋の中央にぐるりと浅い切れ目を入れ、耐熱皿に並べてラップをかけ、600Wで芋1個あたり約1分加熱。粗熱が取れたら切れ目から手で押し出すだけで、皮がツルリと剥がれます。
- 塩もみによるぬめり取り:皮を剥いた里芋に塩を振り、ボウルの中で円を描くように手早く揉み洗いをします。余分なぬめりを洗い流すことで、煮汁の吹きこぼれを防ぎ、味の乗りを格段に向上させます。
ただし、ぬめりを完全に落とし切ろうと過剰に塩もみや下茹でを行うと、里芋本来の上品な香りやもっちりとした食感が損なわれます。「表面の泡立つぬめりをサッと洗い流す程度」に留めるのが、プロが実践する絶妙な力加減です。