明石海峡大橋で通行止めが発生する決定的な要因の約8割を占めるのが「強風」です。明石海峡は瀬戸内海と大阪湾を分ける狭窄部(ボトルネック)であり、地形的に風が集束しやすい「ベンチュリ効果(漏斗効果)」が働きます。地上で穏やかに感じる日であっても、海面から約65メートルの高さを走る道路面では、突風が吹き荒れる日常茶飯事の難所です。
管理主体のJB本四高速(本州四国連絡高速道路)が定める明確な風速基準において、最も注意すべきは「二輪車と四輪車で通行止めの基準が大きく異なる」という点です。バイクなどの二輪車は横風に対して極めて脆弱であるため、平均風速15m/s以上に達した時点で二輪車のみ先行して通行止め(四輪車は50km/hの速度規制)となります。四輪車を含めた全面通行止めが執行されるのは、平均風速25m/s以上を観測した瞬間です。
風速25m/sという数値は、大型トラックであっても風圧で車体が大きく傾き、走行車線を逸脱・横転する重大事故が現実化する危険水域を意味します。また、強風以外にも「大型車同士の衝突事故による路面塞ぎ」「冬場の異常低温による路面凍結」「濃霧による視程障害(100m未満)」などが通行止め理由として記録されていますが、とりわけ台風シーズンや春一番、冬の西高東低の気圧配置下では、強風による計画的・緊急的遮断が多発します。