「色石の査定は、ダイヤモンドの10倍難しい」。現場でルーペを握る宝石鑑定士はそう断言する。
ダイヤモンドには「4C」という世界共通の明確なグレーディング基準が存在するため、マニュアルさえあれば経験の浅いスタッフでも一定の査定が可能だ。しかし、色石にはそれが存在しない。数千種類に及ぶ鉱物組成、わずかな光の屈折の違い、産地ごとの特徴を見抜くには、膨大な鑑識眼と実務データが求められる。一般的な買取店にはそうした専門人材が不在であるため、リスクヘッジとして「価値ゼロ」と評価せざるを得ない構造的な欠陥があったのだ。