健康志向の高まりとともに市場で混乱を招いているのが、「抹茶」と「粉末緑茶(粉末茶)」の混同です。スーパーや通販サイトでは見た目がよく似た緑色の粉末として売られていますが、原料・製法・味わいは完全に別物です。
- 抹茶:遮光栽培された高級原料「碾茶」を使い、石臼などでゆっくり微粉末(約5〜10ミクロン)に挽いたもの。テアニンが多く甘みと深いコクがあり、粒子が細かいためダマになりにくい。
- 粉末緑茶:日光を浴びて育った一般的な「煎茶」を機械で丸ごと粉砕したもの。カテキン由来のシャープな苦味・渋味が強く、テアニンは控えめ。回転寿司店のアガリなどに広く使われる。
料理やスイーツ作りの際、コストを抑えようとして安価な粉末緑茶で代用すると、「苦味が立ちすぎて色がくすんでしまった」という失敗が起こりがちです。茶筅を使ってお湯に点てる緑茶と抹茶の淹れ方の違いはもちろんのこと、素材本来の旨味や鮮やかな色合いを楽しみたい場面では本物の抹茶を、コストを抑えて手軽に煎茶の成分を丸ごと摂りたい場合は粉末緑茶を選ぶという使い分けが重要になります。