ネット上のレビューや知恵袋などで頻繁に見かける「コードレスヘアアイロンは温まらない」という不満。結論から言えば、最高温度自体は160〜180℃程度まで達する製品が多いものの、コード式と比べて「熱の回復力(リカバリー性能)」が圧倒的に劣ることが不満の根本原因です。
家庭用のコンセント式ヘアアイロンは、AC100V電源から数十〜数百ワットの電力を常時安定して供給できます。そのため、冷たい髪の毛をプレートで挟んで熱を奪われても、瞬時に設定温度へと復熱します。一方、リチウムイオンバッテリーを内蔵するコードレス型は、供給できる電力が約15〜25W程度に制限されます。プレート表面温度が一度下がると、元の温度へ戻るまでに数秒から十数秒のタイムラグが生じてしまいます。
その結果、髪を一度スルーさせただけでプレートが冷え、毛先を通す頃には十分な熱が伝わらないという現象が起こります。これをユーザーは「温度が上がらない」「クセが全然伸びない」と認識してしまうわけです。コードレスヘアアイロンのデメリットと真相を技術的に突き詰めると、故障や粗悪品だからではなく、小型バッテリーが持つ物理的な出力限界に起因しています。この特性を理解せず、ロングヘア全体の縮毛矯正や強いカール付けを期待して購入すると、後悔につながるリスクが極めて高くなります。