矢作ダムの現在の水量を評価するうえで欠かせないのが、過去に発生した深刻な渇水との比較検証です。矢作ダム貯水率グラフ推移を長期スパンで追跡すると、冬季の降雪不足や空梅雨、猛暑による蒸発量の増大によって、数年周期で貯水率が警戒水域まで落ち込むサイクルが浮き彫りになります。
西三河の歴史において最大の試練となったのは、1994年(平成6年)の「平成大渇水」です。この年、矢作ダムの貯水率は一時10%未満にまで落ち込み、底知れぬ水不足が列島を震撼させました。また、2022年5月にはダム本体の渇水ではないものの、下流の明治用水頭首工で大規模な漏水トラブルが発生し、西三河全域の工業・農業用水が突如断絶するというインフラ危機を経験しています。これら過去のインシデントと現在の数値を比較したのが以下のデータ表です。
矢作ダム過去渇水データを振り返ると、貯水率が50%を割り込んだ段階から関係機関の動きが慌ただしくなり、40%前後で最初の調整弁が引かれる仕組みであることが分かります。単に「前月より減った」という変化幅だけでなく、「ダム容量の何割が残っているか」を絶対値で把握することが重要です。