ダイイングメッセージという言葉は、英語の「dying message(死に際のメッセージ)」に由来する和製英語に近い表現です。英語圏では一般的に「deathbed statement(臨終供述)」や「dying declaration」と呼ばれ、法的な文脈で扱われることが多くあります。
この概念がエンターテインメントとして花開いたのは、20世紀初頭のアガサ・クリスティやエラリー・クイーンらによるミステリー小説の暗号トリックでした。被害者が犯人の名前を直接書くと消されてしまうため、あえてトランプのカードを握りしめたり、本棚の特定の背表紙を指差したりといった知略戦が描かれ、読者を熱狂させました。
日本のポップカルチャーにおいても、『名探偵コナン』や『金田一少年の事件簿』などの推理漫画を通じて広く浸透しています。作中では麻雀牌の並びや時計の短針、スマートフォンのキー配列を用いた複雑なダイイングメッセージが多数登場しますが、こうした精緻なパズルはあくまでフィクションの産物という側面が強いのが実情です。