秋の紅葉シーズンが最も有名であることは言うまでもないが、通の来訪者が口を揃えて絶賛するのが、初夏から夏にかけての「青もみじ」の季節だ。
5月から7月にかけて、山全体を覆うみずみずしい若葉は、目にも鮮やかなグラデーションを描き出す。風が吹き抜けるたびに葉と葉が擦れ合う音が響き、木漏れ日が黒漆のテーブルの上で揺らめく光景は、猛暑を忘れさせるほどの涼と癒やしをもたらしてくれる。
冬には落葉した木々のシルエットが寂涼とした静寂を生み出し、早春には萌芽の生命力が山を包む。年間を通じて異なる表情を見せるこの森は、一度の訪問では到底その魅力を語り尽くせない奥深さを秘めている。