日本のヒップホップ史を語る上で、NITRO MICROPHONE UNDERGROUNDの登場は決定的な転換点でした。MACKA-CHIN、DABO、S-WORD、SUIKEN、DELI、BIGZAM、XBS、そしてGORE-TEXという圧倒的な実力者8名が集結したこのクルーにおいて、GORE-TEXの存在感は際立っていました。
GORE-TEX(本名:宮森智彦)は、1990年代半ばから渋谷・宇田川町を中心とするアンダーグラウンドシーンで頭角を現しました。派手な言葉数で攻めるMCが多い中、彼は重心の低いドープな声質と、空間を支配する独特のタイム感を持ったフロウでヘッズを魅了。1999年のインディーズデビュー盤『NITRO MICROPHONE UNDERGROUND』に収録されたクラシック群では、冒頭の一声で空気を一変させる圧倒的なキラーバースを連発しました。
2004年にはDef Jam Japanからソロ名義でのフルアルバム『RELAX REST DEFY』をドロップ。客演陣に頼り切ることなく、自身のダークで中毒性の高い世界観を凝縮したこの作品は、メジャー資本に媚びない日本語ラップの金字塔として、現在も語り継がれる名盤となっています。