特別な機材や有料アプリを買い足す必要はありません。iPhoneに最初から入っている標準カメラアプリだけで、月をくっきりと捉えるための基本手順を整理しました。現場で迷わないよう、設定の流れを論理的に解説します。
ステップ1:ナイトモードを強制的にオフにする理由
画面左上に黄色い三日月アイコンが表示されたら、それはiPhoneが「夜景撮影モード」に入った合図です。まずはこのアイコンをタップし、スライダーを操作して「オフ」に切り替えてください。ナイトモードオフ理由は極めて明確で、月そのものが十分に明るいため、露光時間を延ばす処理はブレと白飛びを悪化させる以外の何物でもないからです。
ステップ2:AE/AFロック固定でピントと明るさを掴む
望遠倍率を上げたら、画面内の月を指先で長押しします。画面上部に黄色い枠で「AE/AFロック」と表示されるまで押し続けるのが肝要です。月は輪郭が小さく、オートフォーカスが迷って背景の暗闇にピントを合わせてしまいがちですが、この固定操作を行うことでピント位置と基準露出が完全にロックされ、以後の微細な指の動きでピントが狂うのを防ぐことができます。
ステップ3:露出補正の下げ方――太陽マークを限界まで引き下げる
AE/AFロックが完了すると、黄色い枠のすぐ右隣に「太陽のアイコン」が現れます。この太陽マークを指先で画面下方向へぐっとスライドさせてください。これが露出補正の下げ方の実践です。スライダーを一番下、あるいは下限近くまでドラッグすると、画面内の夜空は完全に真っ黒へと沈み込み、それと引き換えに白く潰れていた光の塊の中から、突如として月のクレーターや灰色の「月の海」が鮮明に浮かび上がってきます。