ネット上で手軽に閲覧できる366日バースデーカラー一覧ですが、その起源は一体どこにあるのでしょうか。根拠のないデタラメが勝手に広まったのではないかと疑う声もありますが、その背景には色彩研究者たちの地道な理論的試みと、デジタルカルチャーの融合がありました。
誕生色の世界的な源流の一つとして知られるのが、アメリカの占星術師であり直感研究者のミシェル・バーンハート(Michele Bernhardt)氏が考案した「Colorstrology(カラーストロジー)」です。彼女は西洋占星術の度数や惑星配置と、パントン(PANTONE)社の色彩理論を掛け合わせ、366日それぞれに固有の色彩と心理特性を割り振るシステムを構築しました。これが書籍として発表され、欧米圏のライフスタイル界隈で大きな反響を呼びました。
一方、日本国内においては、色彩学の権威として知られた研究者やカラーセラピストたちによる独自の誕生色研究が進められてきました。代表的な試みとして、日本の伝統色や自然界の色彩を取り入れた野村順一氏らの著作などがあり、古来から四季の移ろいを色名で表現してきた日本の感性と色彩心理学が融合していきました。
これが2010年代以降、Webエンジニアやデザイナーの手によって366日の誕生色とカラーコードを網羅したデジタルデータベースとして再構築され、オープンなWebサイトとして公開されました。印刷物としての色彩から、RGBやHEXコードという「デジタルの色」へと変換されたことで、若年層のクリエイターやSNSユーザーが気軽に引用できるインフラが整い、現在の爆発的な流行へと結びついています。