時計塔の内部で鼓動を打つのは、米国のE・ハワード社製「ハワード時計塔第2号型」である。電力や電子回路には一切頼らず、重錘(おもり)が重力で下がる力を動力源として歯車を回す完全な機械式時計だ。設置から140年以上が経過した今もなお、人間の手による週2回の巻き上げと繊細な注油作業によって、驚くべき精度を保っている。
毎正時に鳴り響く澄んだ鐘の音は、環境省の「残したい“日本の音風景100選”」にも選出されている。重厚な鋳鉄製の鐘が奏でる深く澄み渡った響きは、オフィス街を行き交う市民や旅人の心をふと開拓当時の原野へと誘う。