手塚治虫の動物・獣人に対する情熱が決定打となった決定的な出来事が、2014年に世間を騒がせた「開かずの引き出し」事件です。
手塚の仕事部屋に残されていた、生前決して誰も開けることが許されなかった鍵付きのデスク。その引き出しを整理した長女の手塚るみ子氏が発見したのは、大量のエロティックなスケッチや未発表のイラスト原稿でした。そこには、女性の体をベースにネコやネズミ、さらには昆虫の部位を融合させた、艶めかしい半人半獣のクリーチャーたちが驚異的な画力で描かれていたのです。
るみ子氏は自身のSNSで、ユーモアを交えつつ「父の引き出しを開けたらエロスケッチが出てきた」と率直に報告。ネット上は「神様、ブレなさすぎる」「本物の天才による極上のフェティシズム」と大喝采に包まれました。隠し絵のようなプライベートスケッチの存在は、手塚治虫が商業的な枠組みを超えて、個人的な創作欲求の根源として獣人造形を愛していた動かぬ証拠となったのです。