インターネットの掲示板やSNSでは、「ナイトクラブは反社会的勢力との繋がりがあるのではないか」「薬物や暴力事件が日常茶飯事なのでは」といった過剰な警戒論が散見されます。しかし、現代のナイトクラブシーンにおけるナイトクラブ危険性真相を客観的なファクトから精査すると、ネットの言説と実態の間には相当な乖離があることが判明します。
その背景にあるのが、法制度の抜本的な改革です。2016年に施行された改正風俗営業法において「特定遊興飲食店営業」という新たな営業形態が法制化され、一定の基準をクリアした認可店は深夜0時以降の営業と客への遊興提供が適法に認められるようになりました。認可を受けるためには、客室内の照度を10ルクス超に維持すること、外部から見通せない構造を排除すること、暴力団関係者の排除規定を徹底することなど、極めて厳しい条件をクリアしなければなりません。
大手クラブチェーンの法務担当者は次のように解説します。
「現在の認可クラブは、警察署や消防署による定期的な立ち入り検査を常に受けています。店内には数十台の高画質赤外線防犯カメラが配置され、フロアの死角はほぼ存在しません。金属探知機による手荷物検査もルーティン化されており、違法物質の持ち込みや暴力沙汰を起こせば数分以内に身元が特定され警察に通報されます」
では、店舗自体のガバナンスが機能している現在、本当のリスクはどこに潜んでいるのか。それは店外の動線や個人の注意力不足に起因するヒューマントラブルです。
- ドリンクへの異物混入・放置:バーカウンターから目を離した隙に、何らかの物質を入れられる、あるいは他人のグラスと取り違える事案。
- フロアでのスリ・置き引き:大音量と暗がりの中でスマートフォンや財布をポケットから抜き取られる、またはソファ席に荷物を置いたままフロアへ行く油断。
- 過度な泥酔による急性アルコール中毒:高揚感から度数の高いショットを煽り、自力歩行不能となって救急搬送されるケース。
- 店舗外の客引き・タクシートラブル:店を出た直後に非公式なキャッチに声をかけられ、法外な料金を請求する違法バーへ誘導される二次被害。
すなわち、危険の所在は「店舗そのものの不法性」ではなく、「群集の匿名性とアルコールがもたらす油断」にあります。自衛の意識を保ち、基本的な自制心を働かせている限り、極端な犯罪に巻き込まれる確率は一般的な繁華街の居酒屋街と大差ありません。