村上茉愛さんの華麗な経歴の中で、ひときわ異彩を放っているのが小学生時代の子役経験です。2005年、深田恭子さん主演のTBS系スペシャルドラマ『ウメ子』のオーディションにおいて、彼女は約600人の応募者の中から見事に主人公・河合ウメ子役に抜擢されました。
ドラマ内では、持ち前の身体能力を活かした見事な側転や豊かな感情表現を披露し、天才子役として業界関係者から将来を嘱望されました。当時、芸能界からも本格的な女優活動への誘いが複数あったと報じられています。
しかし、彼女の心の中にあったのは「演じること」以上に「体操で世界の頂点に立ちたい」という強烈な情熱でした。芸能活動の継続を選べば体操の練習時間が削られてしまうという岐路において、彼女は迷うことなく芸能界を退き、体操一本に人生を賭ける決断を下しました。結果として、子役時代に培った「人前で自分を表現する度胸」や「豊かな感情表現」は、後のゆか競技における芸術点・表現力として大輪の花を咲かせることになったのです。