「地方都市の公立ミュージアム」と聞いて、静かにパネルを眺めるだけの退屈な展示を想像するなら、ゆめぎんがはその予想を鮮やかに裏切ってくれます。館内へ一歩足を踏み入れた瞬間に広がるのは、五感すべてを揺さぶる巨大な実験空間です。
建築専門誌『GA JAPAN』39号において「新しい風景を導き出すスペースシップ」と称賛された独創的な建築デザインは、四半世紀以上を経た現在でもまったく色褪せていません。湖畔の自然地形と見事に調和した館内は、「宇宙から地球・佐賀を発見する、佐賀から地球・宇宙を発見する」という明確なコンセプトのもと、3つの常設展示ゾーンで構成されています。
1階の「地球発見ゾーン」では、地球のダイナミズムや生命の進化、科学の基礎原理を身体を使って学ぶことができます。2階の「佐賀発見ゾーン」では、有明海の広大な干潟や脊振山地の生態系をリアルに再現したアクアリウムが広がり、地域の自然の豊かさを学術的視点から再発見させてくれます。そして3階の「宇宙発見ゾーン」には、宇宙飛行士の訓練を模したシミュレーターや天文学の最前線に触れる展示がずらりと並びます。
近年ではJAXA(宇宙航空研究開発機構)との強力な連携企画や、大阪・関西万博のJAXA Experience Theater「The MOON」で反響を呼んだ映像群をモチーフにした先駆的プログラムの導入など、コンテンツの鮮度を落とさない積極的なアップデートが続いています。「子供の付き添いで来たはずの親が、気がつけば展示の解説文を食い入るように読み込んでいた」という光景が日常茶飯事となっている背景には、子供騙しを一切排除した骨太な学術的バックボーンが存在します。