成蹊大学時代の安倍晋三を語る上で欠かせないのが、アーチェリー部での活動だ。的に向かって精神を集中させ、一矢一矢を丁寧に放つアーチェリーという競技は、彼の集中力と忍耐力を養う絶好の訓練場であった。部活動の仲間たちとは、卒業後も「成蹊会」や個人的な集まりを通じて生涯にわたる親交を深め続けた。
当時の恩師や同期生が明かす素顔は、極めて人情味に溢れたものだ。「政治家の家系だからといって威張るような態度は一切なかった」「部員の面倒見が良く、コンパでは場を和ませる役に徹していた」といった証言が数多く残っている。政界入りした後に彼が見せた強硬な姿勢とは裏腹に、私的な関係における彼の人間的魅力や義理堅さは、大学時代の人間関係を通じて磨かれたものと言える。