近年SNSで圧倒的な人気を誇る切りっぱなしボブ。毛先がパツンと直線的に揃っていることから、「切りっぱなしボブはおかっぱと何が違うのか」「ただのおかっぱの言い換えではないか」という疑問がネット上で散見されます。しかし、ここには大きな技術的誤解があります。
プロが施術する切りっぱなしボブは、決して髪を束ねてハサミで一気に水平断裂させたものではありません。表面に見えるアウトラインは直線美を保ちつつも、内側の毛髪を精密に削り落とす「インナーセニング」が施されています。内側を極限までコンパクトに削り込むことで、髪同士がぶつかり合って広がるのを防ぎ、風に揺れるしなやかさとタイトなストレートラインを両立させているのです。
さらに仕上げのスタイリングにおいても、おかっぱがブローのみで丸く内巻きに収めようとするのに対し、切りっぱなしボブはストレートアイロンでわずかに外ハネにするか、オイルで束感(ウェットな質感)を作って肌を透けさせます。直線的なラインを残しながらも「肌の隙間」を見せること。これこそが、おかっぱの持つ重苦しさを払拭し、大人可愛いボブスタイルへと昇華させる決定的な分岐点です。