街で見かける「青木」と「青山」。名称が酷似していることから資本提携や兄弟会社と誤解されがちですが、両者は創業地も経営母体も完全に異なるライバル企業です。東証プライム上場の株式会社AOKIホールディングス(創業:長野市、本社:横浜市)と、同じく東証プライム上場の青山商事株式会社(創業・本社:広島県福山市)が展開する独立したチェーンです。
業界規模としては、店舗数・売上高ともに洋服の青山が業界1位、AOKIが業界2位の位置につけています。しかし、提供する商品の設計思想やターゲット層には明確な差異が存在します。
AOKI(青木)の特徴は、ファッションデザイナーとの提携やアスリート向け立体縫製に代表される「現代的なスリムシルエット」と「ハイテク高機能素材」の融合です。20代〜40代のビジネスパーソンや、初めてスーツを着る就活生・新社会人にフィットしやすいパターンメイキングを得意としています。
対する洋服の青山は、全国津々浦々をカバーする店舗数と、標準体型からゆったり体型まで幅広く対応する「正統派のクラシックスタイル」に強みがあります。50代以上のエグゼクティブ層や公務員、伝統的な企業風土を重んじる層から絶大な信頼を集めています。
「どっちが安いのか」という問いに対しては、定価設定において両社に大差はありません。どちらもエントリーモデルで約3万円、中価格帯で4万〜6万円台、高級インポート生地モデルで7万〜9万円台となっています。実質的な支払額の差を生むのは、後述する各社のクーポン適用率と下取りの値引き条件です。