巨躯を持ち圧倒的な武力で立ちはだかる戸愚呂弟を演じたのは、演技派として名高い綾野剛だ。そして、その肩に乗り歪んだ怪演を見せる異形の実兄、戸愚呂兄を演じたのが滝藤賢一である。実写ドラマ『幽☆遊☆白書』の制作陣が提示したこの配役は、発表当初の予想を遥かに超える化学反応を引き起こした。
綾野剛は、静けさの中に狂気と悲哀を秘めた弟のキャラクターを見事に表現した。サングラス越しに漂う底知れぬ凄み、そして内に秘めた武士道にも似た孤独。一方、滝藤賢一は身体を自由自在に変形させる兄の不気味さと狡猾さを、目線の動きや声のトーンひとつで描き切った。戸愚呂兄弟という唯一無二の存在感が、作品の重厚感を決定づけたと言っても過言ではない。